ある方がヘアショーの最後におっしゃった言葉です。
「どうでしょう。心を切ってみました。」
お客さまは自分のなりたいスタイルや悩みを言葉にして上手く美容師に伝えることができません。
美容師はお客さまの「言葉」のみを頼りにしてはいけません。
そのことに気付いて、その言葉の端々や表情、仕草、ライフスタイルなどから、そのお客さまの「心」の中にあるスタイルをデザインし表現することが大切です。
という内容でした。
その方は90年代から美容業界に著しい変化、革命を起こす先頭を走る方でした。
いわゆる「カリスマ美容師」という言葉の中心にいらっしゃった方。
原宿で大箱のサロン、スタイリスト1人にメインアシスタント、サブアシスタントがつくユニット制、来年度の新人を現1年生が採用面接をするなど、美容室の形態の変化。
対外的には業界誌だけでなく、赤文字系ファッション誌などへの掲載、テレビ番組、全国ツアー、日本武道館でのヘアショー…
とにかく美容業界の一時代を彩る担い手でした。
そんな方がステージ上で派手なパフォーマンスでもなく、客席の我々に伝えた言葉、
「どうでしょう。心を切ってみました。」
今でもずっと心に残っている言葉で、常にお客さまの心に向き合えるよう心がけています。
セミナーの帰り、偶然駅でお食事をご一緒させていただいたことがあります。
その時もすごく丁寧に僕なんかの話しを聞いてくれて、とても丁寧に気さくにお話しいただいたのを覚えています。
ありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。
合掌
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